犬とネコは仲良く暮らせるのでしょうか。犬とネコが寄り添って寝ている画像を良く見かけます。種を超えて仲良くしている様子は微笑ましくて、幸せな気持ちになれます。
先住ネコのフクと後から飼われた柴犬のコウは、仲良く暮らせていたのでしょうか。
先住ネコのフクは、私の家から歩いて10分ぐらいのところにある両親の家の庭に迷い込んできたネコです。生後3ヶ月ぐらいの大きさの子猫でしたが、薄汚れていました。庭から離れようとしないので、両親はネコを部屋の中で飼うことにして、フクと名付けました。
全体的に白い中に、しっぽが薄茶色で、目は綺麗な水色で、とても綺麗なネコです。
オスにしては、細身でしなやかで、クールな性格のようです。
コウが両親の家に来た時、フクはびっくりして飛び上がっていました。
ゲージに入っているコウは、フクが自由に動きまわっているのがうらめしく、
ネコのフクを追いかけまわしたくてたまらない様子。ネコがゲージに近づくと、ゲージの中で暴れ廻っていました。
ネコのフクは犬が怖いけど、ちょっかいを出したくて、ゲージに近寄っては、逃げていました。
とても、微笑ましい様子です。
しかし、先住ネコのフクは、後からやってきた仔犬に家族の視線が集まって、寂しそうです。
犬が見ていない部屋でネコをあやしていました。
フクも、問題がありました。両親の布団でおしっこをしてしまうのです。後から知ったことですが、ネコが飼い主の布団で用を足すのは、分離不安症なのだそうです。クールな印象で、甘えてこないネコでしたが、実は不安を抱え、もっと甘えたかったのかもしれません。
コウは、暴れて放題、噛み放題です。
新聞やらティッシュペーパーやらトイレシートを噛みちぎり、
コーヒーテーブルの脚もバキバキにかじってしまいました。
両親の足も噛むので、爺さんは部屋の中でも、なんと、長靴を履いていました。
80歳にして初めて犬を飼う爺さんは、犬のしつけが中途半端で、犬ファーストの生活になっていました。
私も犬は飼ったことがないので、ネットや、本や、動画で、犬のしつけについて検索する日々でした。
しかし、爺さんは、ペットショップからもらったマニュアルを読むこともなく、私の言うことも全く聞かず、「なぜ悪い子になったんだ」と嘆くばかり。
数ヶ月経っても、コウはネコのフクを追いかけまわしています。穏やかなのは、コウが寝ている時。ネコはいつでも逃げられるように、コウより少し高いところで寝ています。
夏にフクが来て、秋にコウが来て、冬のある夜、悲劇が起こってしまいました。
いつものようにコウがフクを追いかけていた時、爺さんが玄関を開けてしまうと、脱走ぐせのあるフクが玄関から脱走して、車にはねられてしまったのです。
母から電話が来て、急いで向かった時、フクは既に虫の息で、母に抱かれて、短い一生を終えました。