噛みつきコウちゃん

父は短気で頑固。母はうつ。父が80歳から飼い始めた柴犬は噛みつき犬。足一本でがんばります。

犬に嫌われる勇気

コウを預かって一カ月半が過ぎ、あの噛みついてばかりだったコウは、すっかり落ち着いて噛むそぶりは見せなくなりました。

 

コウは交通事故に遭ったから噛みつくようになったのではなく、

交通事故に遭う前から、コウは噛みつき犬でした。

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交通事故に遭う前のコウ 庭のテーブルの上に乗るのが大好き

 

飼い主の爺さんは、リードを付ける時に噛まれて暴れるので、手袋をしていました。

そしてコウと一緒にソファーで寝ている時に突然噛んでくることもあったようです。

 

毎晩夜泣きも酷く、爺さんは毎晩夜中に起きてはソファーで添い寝をしていたので、爺さんを休ませるために私の家でも良く預かっていました。

 

私の家では、コウは心得ていて、リードを付ける時も騒がずおとなしく、むしろ、自分から首を寄せてくるし、夜も泣かないし、夕飯は、私達が食べ終わるのをみはからって、次は自分の番ですよね、みたいな顔を見せていました。

 

それでも爺さんは私のアドバイス聞く耳を持ってくれず、甘やかし放題で、叱ることができません。かと言って褒めることもしないで、ただ愚痴のようなことを話しかけています。

 

ご褒美のジャーキーをあれこれ大量に買い込んで、びっくりするぐらいの量を、犬に要求されるがままに与えています。

リードを付ける時、噛まれそうになるのでおやつを与えてしまいます。犬は噛めば、ご褒美がもらえるものと、学習してしまっています。ご褒美をあげるタイミングが逆なのですが、いくら説明しても解ってもらえません。

それに、多くのご褒美をあげることが犬に好かれることだと思い込んでいて、私が注意すると怒ってしまいます。全く困った爺さんです。

 

コウが事故に遭い、手術をして退院してきた時は、コウもぐったりしてエリザベスカラーをしていたので爺さんでもなんとか看病していたのですが、エリザベスカラーをはずしたコウは、ちょっとでも触ろうとすれば、キバをむいて吠え、本気で噛みつこうとします。それは、アフリカにいるハイエナが牙をむいて襲いかかってくるような感じです。今から思えば、その時の映像をとっておくべきでした。(笑)

 

やはり、触られるのが痛いのか、怖いのか、とても神経質です。

 

爺さんでは、オムツ替えどころではないので、私がしばらく預かることにしました。

 

オムツ替えは二人がかり。夫に首輪を持って押さえてもらって、私がオムツ交換。手術で背中を大きく縫ったので、痛みがあるようで、大声で泣き叫んでいました。

最初は力づくで押さえていましたが、オムツ替えはいいものだと思ってもらうために、少しづつご褒美をあげてオムツ替えしていたら、なんとか噛まない感じになりました。ご褒美はあげるタイミングが難しいのです。犬に要求される前にあげることです。

 

首輪を持つ時のタイミングも大事です。

コウは右側が麻痺しているので、右側からサッと首輪をつめば大丈夫なのです。怖がらず、躊躇なく、つかむことが大事です。

 

爺さんは、躊躇なくつかむことができません。

「さあ、つかむぞ、手袋をして、噛みつかないでね」などと声かけして行うので、コウも、何をされるのかとおびえてしまいます。

 

車椅子を作ってからは、車椅子に乗るのはコウも好きなので、載せるのは何ら問題なく載せられます。オムツ替えも車椅子に乗せた状態で出来るので、私一人でも出来るようになり、すごく楽になりました。

 

私の家で良い子になってくると、爺さんが返して欲しがるので、返すと、またかみぐせと泣きぐせが戻ってしまいます。

 

どうやら、今だに、爺さんはご褒美おやつを大量に与えているようなのです。

ご褒美をあげる人が犬に好かれるのだと思いこんでいるので、やめようとしません。むしろ、コウの気持ちが私に向くのを恐れて、好かれたい気持ちでご褒美を与えている感じがします。

 

嫌われる勇気が必要ですね。

 

コウに悲痛な声でご褒美を要求されると、つい、与えてしまいます。ここで、与えてしまうとなき癖がついてしまいます。

泣き止まない時は、その場を離れたり、他の事で気をそらしたりして、犬の演技力にだまされないようにしなければいけません。

一貫性のある毅然とした態度をとること、ひるまないことが大事です。

 

犬は、強い人が好きなのです。

 

ご褒美をあげないからって、嫌われることはありません。

 

だけど、ただひたすら我慢させるのではなく、犬が要求する前に必要なことをやってあげるのも大事だと思います。

 

特にコウは足3本が動かないのだから、コウの状況と気持ちを読んであげることも必要で、お水を要求している時は泣き方が違うので、お水はすぐに飲ませてあげます。

 

自分の気持ちを解ってくれる人がいることで、身体が不自由なコウの精神的な支えになるはず。そうして、信頼関係が築けると思います。

 

信頼関係は、犬が噛みついた時、どんな態度をとるかでも変わってきます。噛まれてもひるまず、首輪をつかんで押し付けて、犬が降参するまで離さない。気迫で負けないようにします。

 

すると、犬から一目おかれるようになります。

 

犬は頼りになる人のもとで安心できるのです。

 

爺さんは、短気で怒りん坊な反面、優しい面を持っていることを、コウを通じてわかりました。

しかし、犬に要求されるままにご褒美を与えるのは、犬のためになりませんね。

 

嫌われる勇気を持つこと、人間社会でも当てはまりそう。なかなか、難しいことですね。

 

 

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