ひどい噛みつき犬だったコウは、だいぶ落ち着いて来て、私と夫には噛み付かなくなりました。
ところが!ある日のこと、
噛みつきスイッチが入ってしまいました。
夜、最後にお水を飲ませて寝ようとしたら、
オムツをずらして、チンチンをなめているではありませんか!
チンチンをなめないようにと、オムツがずれないように、ゴムベルトのようなオムツパットを作ったのに、それをずらしてしまいました。
オムツパットのゴムが、使っているうちに伸びてしまったのと、コウもちょっとウエストが細くなったようなのです。
チンチンなめなめで、また赤くただれてしまうし、敷布もおしっこで汚れちゃうし、なんと言っても、怖い話を聞いているので、これは阻止しなくてはなりません。
抱き上げて、車椅子に乗せて、オムツを替えましょう。
ところが、抱き上げようとした途端に、噛みつきスイッチが入ってしまいました。
まるでサメのジョーズのような恐ろしい風貌に早変わり。
恐ろしい、と言っても笑っちゃうのですが。
写真を撮る余裕もありました。それだけ長くこんな顔をしていたのです。
コウは、おしっこに執着して、それをなめるのをやめさせられたくないのです。
両親の家にいた頃は、くつしたやスリッパやクッションに執着して、それを取られまいと、噛むようになってしまったのですが、そのクセがよみがえったようです。
こんな時、少しでもひるんで、抱き抱えるのをやめたら、悪い前例を作ってしまいます。
「噛めば、取られない」って。
コウがハグキをむき出しにして威嚇している間、私も、ずっとにらみ続けます。
よく、シーザー・ミランがやっているように、
犬が目をそらして吠えるのをやめるまで、「負けないぞ!」って気迫を見せる。
しだいにコウも、ベッドに鼻をつけて上目使いになりました。
しかし、車椅子に乗せようとすると、再び吠えまくります。
キリがないので、首輪をつかんで押さえることにしました。夫も寝ているし、ここは私がやらねば。
怖がったり躊躇すれば、噛まれるので、素早くつかむ。
よし!成功!
つかまれたコウは、「キャー」と悲痛な声を上げましたが、これは柴犬がよくやる演技です。
痛くもないのに、「キャー」なんて叫ぶんです。
近隣の人に、虐待しているんではないの?と思われても仕方ない。ここでやめてしまえば、コウの思う壺。お隣りさんには、説明しておきましょう。
抱きかかえて、車椅子に載せて、オムツを替えることができました。
やれやれ。
病院のリハビリでは看護師のお姉さんたちにデレデレして笑顔なのに、まいっちゃうな〜。